最近のIT業界のトレンドといえばIoTとAIです。ですが、まだまだ始まったばかり、という印象を持つ人は多いのではないでしょうか。

　一番身近なIoTは電力量を測定するスマートメーターでしょう。各電力会社は全世帯への設置を目指し取り組んでいます。スマートメーターは通信機能を備え、集約装置までデータを送っています。このデータを送るネットワークが、今後注目されます。

　例えば、いまスマートフォンの通信費に月1万円くらい使っている人が大半です。格安といわれるMVNOを使っても数千円です。では、企業がIoT機器にSIMカードを挿入する場合、MVNOの一番安いプランを契約しても月額で数百円かかり、たくさんデータを集めようとIoT機器を複数台使えば、通信費がさらに膨らみます。それを踏まえて各通信キャリアが取り組んでいるのが、コストを抑えることができるLPWAです。1端末あたりの通信費は、年間で数百円に抑えられるそうです。

　データはたくさん集まってこそ精度が上がり、価値が高まります。価値が高まればビッグデータならぬビッグビジネスになるわけです。家の前のマンホールやゴミ集積場所などにIoT機器が取り付けられる日は、そう遠くないかもしれませんね。（山下彰子）