駐在記者・真鍋武が体験したリアルな中国

<駐在記者・真鍋武が体験したリアルな中国>約3000人の記者が報道合戦

2017/03/29 09:00

週刊BCN 2017年03月20日vol.1670掲載

 中国の全国人民代表大会(全人代)は、その年の主要な政策が決まるだけに、メディアの注目も高い。とくに初日の開幕式は、習近平国家主席や李克強首相をはじめとする中国共産党幹部が顔を揃えるうえ、目標や重点活動が発表されるため、記者が集中する。今年の全人代には中国国内外から約3000人の記者が集まったが、初日の朝は例年通り大混雑となった。開幕式は朝9時に始まるが、7時前に北京の人民大会堂に到着するとすでに大行列。入場開始が7時半からなのにもかかわらずだ。記者の数が多いことに加え、厳重なセキュリティチェックもあって、会場内に入るまでに1時間を要した。ひと苦労である。
 

開幕式の2時間前でご覧の大行列だ

 記者が早入りするのは、よい映像・写真を撮ることができる席を確保することと、配布資料を先読みして、その年のGDP成長率目標などの新発表の速報につなげることが狙い。開幕式が始まる前から、メディアの報道合戦は繰り広げられているのだ。
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