BOOK REVIEW

<BOOK REVIEW>『結果を出し続けるチームリーダーの仕事術アクセンチュア社員が実践する超一流のマネジメント』

2017/03/01 09:00

週刊BCN 2017年02月20日vol.1666掲載



結果につながる「チームリーダー論」

 職場の人間関係は良好か。ほぼ毎日、顔を合わせるため、いったん悪化すると厄介だ。業務に支障が出るだけでなく、モチベーションの低下につながる。周囲への悪影響も否定できない。

 生まれた世代や場所が異なる人が集まる職場では、人間関係で衝突する場面が多い。昔から「最近の若い奴は」という言葉があるように、とくに上司と部下は、同年代に比べて理解し合うのが難しい関係だろう。

 小さな誤解が大きな亀裂になり、意思疎通ができなくなる。結果的にチーム全体が機能不全に陥る。いくら努力や工夫をしても、状況は悪くなるばかり。上司と部下の人間関係の悪化は、こうした負の連鎖を生み出す要因になる。

 良好な人間関係を構築するためには、チームを引っ張るリーダーのかじ取りが大切だ。頭ごなしに怒って部下を委縮させたり、結果が出ない責任を部下に押しつけたりする行為は適切ではない。場合によってはパワハラと受け止められることもある。

 では、どうすればよいか。著者は「尊敬や安心感をメンバーに持ってもらう」ことが、リーダーの取るべき道だと説く。日常的な心構えや具体的な行動方法なども示し、結果につながる「チームリーダー論」を紹介する。

 チームとして大きな成果を生み出せるかどうかは、リーダーの手腕にかかっている。これからリーダーになる人にとっても、すでにリーダーを務めている人にとっても、本書は、自らの考えや振る舞いを客観的にみつめ直すきっかけを与えてくれるだろう。(鰹)

『結果を出し続けるチームリーダーの仕事術
アクセンチュア社員が実践する超一流のマネジメント』
坂本啓介 編
学研プラス 刊(1400円+税)
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