BOOK REVIEW

<BOOK REVIEW>『インフラエンジニアの教科書』

2017/02/08 09:00

週刊BCN 2017年02月06日vol.1664掲載



新入社員必読、ITインフラの入門書

 新年度に向けて、そろそろ新入社員の受け入れ準備を始めている企業もあるだろう。教育担当者にとっては、新入社員に早く会社や業界の仕組みを理解してもらいたいところだが、なかなか難しい。

 こうした悩みは、多くの企業が抱えており、ITインフラ業界でも同様だ。「仕事は先輩を見て盗め」という教育方法では、せっかく若いエンジニアを雇っても、一人前にするまでには、より多くの時間がかかり、最悪の場合、すぐに退職してしまうかもしれない。

 教育は重要だが、舞台は日進月歩のITインフラ業界。業界経験のない新入社員に、いきなり最新の動向を教え込むのは容易ではない。まずはしっかりと基礎を固めることが先決で、そのためには要点を絞ったわかりやすい説明が大切だ。

 本書は「一読すれば、ITインフラの世界を一通り理解できる」をテーマに設定。サーバーやOS、ストレージ、ネットワークの仕組みだけではなく、購買や商談の進め方まで幅広く紹介する。

 さらに、現役インフラエンジニアで、LINEの創業にも携わった著者の経験から、困った状況を乗り切るノウハウも掲載。新入社員の入門書としてぴったりの内容になっている。

 インフラエンジニアは、知識と経験の量が違う若手とベテランの間では、比べ物にならないほどの差があるというのが著者の評。新入社員をしっかり育成することは、社会を支えるITインフラの発展に直結することになる。企業にとっても、本書は人材育成について考えるヒントとなりそうだ。(鰹)


『インフラエンジニアの教科書』
佐野 裕 編
シーアンドアール研究所 刊(2000円+税)

 

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