駐在記者・真鍋武が体験したリアルな中国

<駐在記者・真鍋武が体験したリアルな中国>DLSPの現在

2017/02/01 09:00

週刊BCN 2017年01月23日vol.1662掲載

 およそ1年ぶりに、遼寧省・大連に出張した。大連といえば、対日アウトソーシングで隆盛を極めた都市。しかし、中国の人件費高騰や為替変動の影響で、対日アウトソーシングの市況は苦しくなっている。大連ソフトウェアパーク(DLSP)の担当者いわく、「ここ数年、日系企業の新規進出は年に1件あるかないかという程度。一方、規模が小さい日系企業では、移転や撤退も少なくない」という。つい最近では、日系大手SIerが大連拠点の解散を決議した。
 

大連ソフトウェアパーク

 しかしDLSPは、実は現在も85~90%程度の入居率を維持している。日系企業数は全体の約20%で比率は下がりつつも、中国企業や一部の外資企業では、新規進出や拠点拡張が続いているようだ。とくに最近は、「グローバル企業で、APAC地域の各拠点に分散していたバックオフィス業務を大連に統合する動きがみられる」とのこと。中国語、英語、日本語のマルチ言語を操る人材は、今も変わらぬ大連の魅力となっている。
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