1月23日付の日本経済新聞朝刊で、三菱UFJフィナンシャル・グループが、日本のメガバンクでは初めて社内システムのクラウド化に踏み切るという報道がありました。インフラに採用するのはAWSで、FinTechの推進を見据えた動きとのことです。金融ITの世界も、大きく変わりつつあります。

　FinTechの潮流に目を向けてみると、金融機関は顧客に新しい価値をもつサービスを提供しようと試行錯誤を続けています。彼らにとって新たな顧客接点になり得るさまざまなクラウドアプリケーションと既存の金融システムとの連携事例は、どんどん増えています。また、ブロックチェーンについては、金融業界のビジネスの構造すら変えてしまう可能性があると評価する声も少なくないわけですが、銀行の勘定系システムや証券取引、銀行間振込への適用に向けた実証実験も活発化しています。

　週刊BCN1661号では、弊紙主幹・奥田喜久男が手がける人気企画「千人回峰」のインタビュイーに、日銀ネットの企画・開発などに携わった富永新氏を迎えています。金融ITの歴史と変遷に精通した同氏のFinTech論は、一読の価値があります。（本多和幸）