今日のひとことWeb版

鉛よりも猛毒?

2016/12/07 15:26

 先日、お子さんを連れて電子工作の体験教室に参加した知人から話を聞いたのですが、会場に着くなり「毒性のある鉛入りのはんだを使用しますが、ご了承いただけますでしょうか」と、声をかけられ驚いたとのこと。確かに鉛は中毒を引き起こす可能性のある物質ですが、工作レベルで「毒性のある」と言われると、ちょっと物々しいですね。筆者の中学生時代(20年以上前)には技術家庭科の授業で、みんな何ら気にせずにはんだ付け作業を学んでいたのですが、今では保護者の了解がなければ、はんだをつまむことすらできないようです。

 現在一般に販売される電気機器では、「鉛フリーはんだ」の使用が主流となりました。環境にはよいことなのですが、鉛フリーはんだは融点が高く流動性が低いため、作業が若干難しくなるという問題がありました。工作教室では、初心者にも扱いやすい鉛入りはんだが使われるのも、仕方のないことだと思います。業界が一斉に鉛フリー化に動いたのは、環境意識の高まりもありますが、鉛入りはんだを使った機器のEU向け輸出を禁じる「RoHS指令」が施行されたため、対応せざるを得なかったという面も大きいようです。

 そのRoHS指令以上に大きな波紋を拡げそうな法制度が、この5月にEU議会で可決されました。EU域内で取得した個人データの域外移転を原則禁止する「一般データ保護規則」で、違反すると最大で数十億~数千億円規模の巨額制裁金が課せられるおそれもある、大変強力な規則です。世界のプライバシー基準を引き上げる効果は期待できるものの、EU当局が日本企業を“狙い撃ち”にする不安は払拭できません。来年度は海外事業を展開する多くの企業が、対応に追われることになりそうです。詳しくは記事をご覧ください。(日高彰)

【記事はこちら】
EU(欧州連合)、巨額制裁金のターゲットは日本!?
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2016.12.07」より
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