先頃、ブルームバーグに「ブロックチェーンは終わった――ビットコイン信奉者、台帳技術に見切り」と題した記事が掲載されました。ブロックチェーン技術を活用した決済基盤「リップルコネクト」を開発、提供しているRipple Labsのステファン・トーマスCIO（記事によればIT業界でおなじみの最高情報責任者ではなく最高投資責任者とのこと）が、ブロックチェーンのポテンシャルは非常に限定的なものであるとの見解を示したというものでしたが、見出しのインパクトもあり、つい読んでしまいました。少しわかりにくく、冷静に読む必要のある記事だという印象です。

　日本取引所が、これまで行ってきた実証実験の結果を踏まえ、8月30日に「金融市場インフラに対する分散型台帳技術の適用可能性について」と題したワーキングペーパーを発表しましたが、これについてもさまざまな評価が散見されます。

　新しい技術ですから、毀誉褒貶相半ばするのは当然です。インターネット以来の革新とも評されるブロックチェーンですから、そこに幻想を見てしまっている人もいるでしょう。しかし結局は、その真価を冷静に見極め、アイデアを先にかたちにした人こそが、大きな果実を手に入れられることに変わりはないように思えます。（本多和幸）

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