BOOK REVIEW
<BOOK REVIEW>『はじめての人工知能』
2016/04/14 15:27
週刊BCN 2016年04月11日vol.1624掲載
Excelで学ぶ人工知能の世界
人工知能(AI)ブームである。当初は「またブームで終わるんでしょ」との声もあったが、自動運転カーが登場したり、グーグルのAI搭載囲碁ソフト「AlphaGo」がトップ棋士に勝利したりしたことで、単なるブームではないというムードが広がりつつある。世間の関心事は「AIが人間の能力を超えるのはいつか」「ロボットが人類を滅ぼすのではないか」に集まりがちだが、エンジニアならAIの仕組みが気になるはず。「どのようなロジックなのか」「PC上で動くのか」。企業の情報システムにおいても、AIを活用できるかもしれない。
ただ、AIに取り組もうとしても、何から取り組むべきか、研究者以外には見当もつかない。そこで本書は、まずは手軽にAIの仕組みを理解したいというニーズに応えるべく、表計算ソフトの「Excel」を活用してAIの仕組みを解説している。AIのサンプルプログラムは、ウェブサイト経由で提供されていて、簡単にダウンロードできる。サンプルプログラムを起動すれば、さっそくAIを体験できるようになっている。ちなみに、プログラムはExcelマクロで記述されており、コメントもしっかり入っていることから、ITエンジニアであれば容易に理解できるに違いない。
近い将来、企業の情報システムでもAIが活用される時代が来る。情報システムの効率化を極めるには、ボトルネックとなるデータ入力や運用などの作業を減らす必要があり、そこではAIが不可欠だからだ。SIerからAIerへ。AIの波に乗り遅れるな。(亭)
『はじめての人工知能』
淺井 登 著
翔泳社 刊(2280円+税)
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