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社長交代は「夏休みの宿題」と似ている?

2015/12/03 15:26

 「社長の最後の仕事は、次の社長を決めること」とよく言われますが、「夏休みの宿題」と同じで、任期ギリギリか、業績悪化でにっちもさっちも行かなくなって交代なんてことも、まま、あったりします。

 2016年4月1日付でトップを交代をすると発表した野村総合研究所(NRI)の嶋本正会長兼社長は、実に3年も前から「次の社長」を決める布石を打ってきました。

 トップに就いて最初の3年は、前任社長が決めた経営体制を維持し、後半3年は主要部門のトップを若手にかえて、そのなかから国内外のNRIグループを総合的に経営できる才覚を見定めるとともに、これら若手同士の連携プレーが円滑に進むよう支援したそうです。

 次期社長に就任予定の此本臣吾専務は、「企業経営は社長一人でできるわけもなく、経営メンバーがいかに“一枚岩”になれるかが、その会社の経営力を大きく左右する」と言います。

 なるほど、業績不振や不祥事を起こす企業をみると、役員同士が足を引っ張っぱりあったり、社長が独走したり、逆に社長に実権がなかったりと、経営層が一枚岩でない様子が散見されます。

 「夏休みの宿題」を8月31日になってから慌てて取り組むようではすでに遅い。社長一人を指名するのではなく、次代の経営を一枚岩で取り組む若手経営チームを時間をかけて育てることが、持続的に成長し続けるための重要なトップの仕事だと言えそうです。(安藤章司)

【記事はこちら】
野村総合研究所、次期社長の此本専務「海外売上高を4倍増の1000億円」の大台を目指す
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2015.12.3」より
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