今日のひとことWeb版

佐藤さんの不満

2015/11/20 15:26

 上海在住の佐藤さん(仮名、29歳)は、このたび、新卒から勤めてきた日系IT企業を退職。理由を聞くと、「会社のやり方に納得ができなかった」とのこと。

 佐藤さんの会社は、中国でソフトウェア製品を販売しているものの、大苦戦中。佐藤さん自身、会社が期待するだけの成果を上げられずにいました。「中国では、日本と同じ提案の仕方では顧客に受け入れられない。別の方法を模索する必要があった」と、過去を振り返ります。

 しかし、会社はそんな佐藤さんの意見を聞き入れてはくれなかったようです。「現場のことを理解しようとしない会社は、私の成績が低いとみるや、日本に一時帰国させて、日本の営業方法が絶対的に正しいといわんばかりに、日本式の営業研修を行う始末。日本のトップ営業マンだって、同じやり方では中国で通用するはずがないのに……」と、今ではあきれています。

 中国経済が減速し、最近、日本では後ろ向きなニュースが相次いで報道されています。中国の日系ITベンダーも、将来に不安を感じている経営層は少なくありません。日本本社と中国法人がともに歩みよって連携を強固にし、持続的な成長に向けた打開策を打ち出していくことが求められています。(上海支局 真鍋武)

【記事はこちら】
中国ビジネスに未来はあるか 日系ITベンダー今後の展開シナリオとは
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2015.11.20」より
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