今日のひとことWeb版

「自分ごと」と思っていない危険

2015/11/11 15:26

 IT資産管理・セキュリティツールの「LanScope」シリーズで知られるエムオーテックスの河之口達也社長は、多くのIT企業が参加する経済団体の新経済連盟で「情報セキュリティタスクフォース」の幹事を務めています。先日、同タスクフォース主催のセキュリティセミナーが開催されました。会場で河之口社長に「これだけセキュリティ製品が売れているのに、毎週のようにどこかで情報漏えい事故が起きるのはどうしてでしょうか」と直撃してみました。

 河之口社長は「情報漏えいは“他人ごと”ではなく、“自分ごと”だという意識が組織のトップにない限り、事故はなくならない」と答えてくれました。「うちに限ってねらわれることはない」というのは何の根拠もない思い込みですが、事が起こるまでは危険を正しく認識できないのもまた確か。河之口社長は「もちろん、経営者は売り上げや利益を拡大するための意思決定が仕事。一日じゅうセキュリティのことを考えているような経営者がいたら逆におかしい」と話し、日々の業務のなかで情報漏えい対策の優先度がなかなか上がらないことについては一定の理解を示しますが、それでも、自社でいつ事故が発生してもおかしくないことをきちんと認識すれば、対策なしでいられるはずはないと指摘します。

 エムオーテックスでは、昨年10月から「NO MORE 情報漏えいプロジェクト」と名付けたセキュリティ啓発活動を行っており、セキュリティはすべての人にとって“自分ごと”であるというメッセージを出し続けています。この活動は同社の持ち出しで行っており、プロジェクト内では商品のPRもほとんどないことから、直接的な売り上げにはつながっていないようです。それだけに、事故防止にはツールの導入に加え人の意識改革が必要という同社の強い考えが伝わってきます。(日高彰)

【記事はこちら】
エムオーテックス 情報漏えい防止の啓発活動を1年継続 経営者と従業員の意識改善を推進
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2015.11.11」より
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