▼ドイツのフォルクスワーゲンが不正ソフトウェアでズルをしたと騒がれている。米国での制裁金は、最大で2兆円になるという。発覚しなければ、この先も続けていたはず。ズルいやつの所行は簡単にはみつけられない。いつかはバレるのだろうが、ソフトウェア制御のおそろしさを垣間見ることとなった。

▼ドイツ発のインダストリー4.0（第4次産業革命）。もてはやされているだけに、不正ソフトウェアの一件で、眉唾物になりやしないか心配だ。インダストリー4.0の本質と揶揄する声も聞くことが多くなった。

▼インダストリー4.0をITの視点で捉えると、標準化とIoT、そして人工知能（AI）という三つのキーワードがでてくる。IoTではビッグデータやクラウドが活用される。IT業界を牽引してきた重要キーワードの集大成が、インダストリー4.0というわけだ。不正ソフトウェア程度で、揺らぐようなものではない。

▼人間にたとえると、現時点では4才といわれる人工知能がインダストリー4.0で活躍する。4才児、まだズルはするまい。怖いのは人間だ。他のドイツ企業は大丈夫か。どいつもこいつも、なんてならないことを願いたい。（風）