▼「あと5年もすれば、ネットワーク機器はほとんど残らないんじゃないかな」──こう話すのは、ある大手SIerでデータセンター（DC）を運営する技術者だ。サーバーやストレージの後を追うように、ネットワーク機器も「NFV」と呼ばれる仮想化技術によって、仮想サーバー（VM）上で動く“ソフトウェア”化が加速しているという。

▼DCで“ハードウェア”として残るのは、VM群を動かすIAサーバーと、わずかながらの専用機器程度なのかも知れない。

▼一方で、「機器販社の営業マンは、たいした売り上げにならないソフトウェアのライセンスやクラウド使用料より、機器を売りたがる」（通信機器メーカー幹部）傾向がまだ強い。従来型のエコシステムの慣性が働いているのだろう。

▼先述の技術者は「スイッチ機器だけは、外部からの通信ケーブルとIT機器をつなぐために専用のアプライアンス機器として、最後まで残る」と予想しており、ハード売りを基本としたエコシステムも“スイッチ程度には残る”可能性はある。ここは喜ぶべきところなのか複雑な心境ではあるが……。（寶）