今日のひとことWeb版

確認ダイアログの実効性

2015/08/19 15:26

 「このファイルを完全に削除しますか?」

 ハードディスク上からファイルを削除するときに表示されるメッセージ。この時点で本当に削除していいか確認すればよいのですが、ダイアログボックスが毎回必ず表示されるので、頭で考えて確認するより先に、マウスを持つ手は「はい」ボタンを押すべく動いてしまっています。削除を了承した直後に、消してはまずいファイルが含まれていることに気付いて「しまった!」となる失敗、誰でも一度や二度は経験しているのではないでしょうか。私もつい先日、書きかけの原稿を誤って消してしまいました。

 原稿はまた書けばいいので大した問題ではありませんでしたが、場合によっては、警告の見過ごしが重大な事故につながることがあります。例えば、機密情報の取り扱い時に警告を表示するよう設計したシステムも、ユーザーが表示に慣れきって、考えなしに確認ボタンを押すようになってしまっては台無しです。

 先日取材したクリアスウィフトの電子メール用情報漏えい対策ソリューションは、メールや添付ファイルの内容を解析し、あらかじめ定めた機密情報にあたる部分のみを「*」文字に置き換えて、外部に情報が漏れるのを防いでいます。置き換え処理が発生したことは送信者にも通知されるので、ユーザーに「しまった!」という意識は与えつつも、漏えいの被害自体は防止できるということです。確認表示は事故予防の常とう手段ですが、それに頼らない仕組みのほうが実効性は高そうです。(日高彰)

【記事はこちら】
クリアスウィフト メール内の機密情報のみを削除する漏えい防止製品発売
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2015.8.19」より
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