▼パブリッククラウドの主戦場が、IaaSからPaaSに移行する動きがある。日本オラクルはパブリッククラウドでPaaSを提供し始め、順次機能の拡張も進めているし、富士通が満を持して投入したパブリッククラウドサービス「K5」のキモはPaaSだ。SAPジャパンも、インメモリデータベース「HANA」をコアとするPaaSを国内で本格展開している。

▼こうしたベンダーが決まって口にする売り文句がある。従来の業務システムなどを指す「SoR（システムズ・オブ・レコード）」と、モバイル、ソーシャル、IoTなどの新しい領域の「SoE（システムズ・オブ・エンゲージド）」を組み合わせることで、経営の意思決定やビジネスのデザインをデータに基づいてサポートし、ユーザーの業績を向上させることができるというのだ。Paa Sはその基盤になるからこそ、みんなが力を入れる。

▼ただし、SoRとSoEの融合は、ITの提案というより、新しいビジネスモデルの提案に近いのではないか。エコシステムのつくり方、顧客への提案の仕方など、すべての面でITベンダー側にもハードなチャレンジが求められる。（霞）