駐在記者・真鍋武が体験したリアルな中国

<駐在記者・真鍋武が体験したリアルな中国>埋まらない軟件園

2015/04/16 19:46

週刊BCN 2015年04月13日vol.1575掲載

 中国の各地域には、ソフトウェア企業が密集するソフトウェアパーク(軟件園)がある。「2012中国火炬統計年鑑」によると、国家級の軟件産業基地内に入居する企業数は、2012年で2万6360社。過去12年間、年平均23%のペースで増えてきた。この数字だけをみれば順調に成長しているように思えるが、実際には課題がある。

 例えば、「天津濱海高新区軟件園」には、13年時点で1905社が入居していて、09年から1223社増えている。しかし、実際に現場を歩いてみると、空部屋が異様に多い。一棟丸ごともぬけの殻の建物もある。確かに入居企業の総数は増えているのだが、軟件園の施設規模の拡大に追いついていない。需給バランスが崩れているのだ。

天津濱海高新区軟件園は平日でもあまり人気(ひとけ)がない

コンクリートが剥き出しになっていて、企業が入居した形跡がみられない
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