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外資系トップが明かす「本社の上手な使い方」

2015/03/05 15:26

 ヴイエムウェア日本法人の代表取締役会長に就いた三木泰雄・前社長は、社長時代の10年間、日本のユーザー企業やパートナーとの「中長期にわたって成長できる関係」、いわゆる日本的な“ロングターム・リレーションシップ”を重視することで、ビジネスを大きく伸ばしてきたことで有名です。

 米国IT企業は、四半期ごとの目標設定が厳密に行われる傾向が強く、どうしてこのような日本的経営が日本法人で可能だったのか、実は長年にわたる謎でした。ところが、このたび、その謎がとけました。三木さんの右腕として頭角を現し、この3月に社長に就任したカナダ出身のジョン T. ロバートソンさんが、その秘訣の一端を話しています。

 それはずばり「米本社の首脳陣を1回でも多く日本に連れてくること」だそうです。そして1社でも多くの顧客やパートナーのキーパーソンに引き合わせて関係づくりに尽力すること。

 さらに、(ここからが重要なのですが)、顧客やパートナーのキーパーソンからの「それじゃあ、ヴイエムウェアさん、今回のプロジェクト、くれぐれもお願いしますよ」という問いかけに対し、米本社首脳に「はい、お任せください」言わせることだそうです。

 顧客やパートナーにとっては、本社トップがはるばる海を渡って来てくれたことで親近感が湧きますし、米首脳にとっても「お任せください」と言った手前、日本的なロングターム・リレーションシップを重視せざるを得ない――というわけです。

 外資系のちょっとした技のようにみえますが、とても戦略的で、日本におけるビジネスを大きく左右する要素といえそうです。(安藤章司)

【記事はこちら】
ヴイエムウェア、ジョン T. ロバートソン氏が日本法人社長に就任、三木泰雄前社長は代表取締役会長に

メールマガジン「Daily BCN Bizline 2015.3.5」より
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