北斗七星

北斗七星 2015年2月9日付 vol.1566

2015/02/12 15:38

週刊BCN 2015年02月09日vol.1566掲載

▼マイクロソフトは、1月下旬、「Windows 10」の無料アップグレード(1年間)を発表した。マイクロソフトを支え続けるドル箱商品の無料化を、たとえ1年間という期間限定、対象OSが限定的であっても実行する意味は重い。進んでいるとは言い難い最新OSへの移行を、一気に進めるつもりだろう。

▼サティア・ナデラ氏がマイクロソフトのCEOに就いてから、同社の戦略は明らかに変わった。その代表的な例が協業だ。自前主義の色が濃かったスティーブ・バルマー前CEOとは違い、競合する相手でもメリットがあると感じた場合は、リスクを承知のうえで、手を組む。ナデラ氏がCEOに就いてから、アップル、IBM、SAPなどと協業関係を築いているのがその証だ。すでに力をもっているライバルとは真っ向勝負せずに、その力を借りるという大胆さを備えている。

▼今回のOS無料化もナデラ氏だからこそ動いた話だろう。穏やかな雰囲気とは裏腹に、ナデラCEOの戦略は、守り続けたものを壊す破壊力がある。ナデラ体制のマイクロソフトは、かつてのそれとは違う。巨大プラットフォーマーだけに、その方針が業界に与える影響は大きい。(鈎)
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