今日のひとことWeb版

変貌する中国市場

2015/01/30 15:26

 中国のEC市場が急成長しています。中国商務省によると、2014年の中国電子商取引額は、前年比25%増の約13兆元(約247兆円)。最近だと、淘宝や天猫などの大手ECサイトを運営する阿里巴巴集団(アリババ)が、ニューヨーク証券取引所への上場を果たしました。

 EC市場が怒涛の勢いで成長を続けるなかで、中国小売業のリアル店舗は厳しい局面を迎えています。私が住んでいる上海の中山公園エリアには、蘇寧電器や国美電器、永楽電器といった大手家電量販店が密集しているのですが、週末にお店を散策しても、買い物客はあまり多くありません。日本の週末、秋葉原のヨドバシカメラの賑わいとは雲泥の差です。

 家電量販店よりも深刻なのが、パソコンショップが集まるビル、電脳城です。1月中旬、「北京のシリコンバレー」と呼ばれる中関村エリアの「中関村e世界」に立ち寄って、びっくりしました。買い物客の姿はほとんどなく、空きスペースが多くて、営業しているショップも、閉店に向けて商品を段ボールに梱包している姿が目立ちました。調べると、「中関村e世界」は従来の小規模店舗へのレンタルスペースを廃止して、今後は新たな商業ビルとして生まれ変わるとのことでした。

 市場変化が激しい中国。ECサイトに顧客を奪われたリアル店舗には、O2Oソリューションの活用など、次なる一手が求められています。(上海支局 真鍋武)

【記事はこちら】
<駐在記者・真鍋武が体験したリアルな中国>電脳城時代の終焉

メールマガジン「Daily BCN Bizline 2015.1.30」より
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