▼スポーツが弱い国は、経済も弱いという説がある。新興国の経済発展を占うにも、一つの指標になるとか。強いチームや選手を育成するには資金が必要だと考えると、多少は相関関係がありそうだ。

▼今後の経済発展が期待されるインドは、実はスポーツが弱い。2012年のロンドン五輪では、インドの金メダルはゼロ。メダル獲得ランキングは、204の国と地域のうち、55位だった。人口が世界第二位の大国ゆえ、もっと上位にきてもおかしくはない。

▼インド出身の知人によると、スポーツ観戦は好きだが、自分でやるのは好まないらしい。学校でも、体育の授業時間は少なく、学問重視の考え方が根強いという。クリケットなら、国際大会で優勝するほどの強豪国。本気になればという面もあるが、現状では経済発展に影響がありそうで少し気がかりだ。

▼英領だったインドは、自動車が左側通行。それが日本企業に追い風とはならないだろうが、親近感は覚える。インドを魅力的な市場と捉えるだけでなく、参入する際にスポーツの魅力を伝えてはどうか。それでインドの経済発展が盤石になる、と期待したい。（風）