今日のひとことWeb版
言葉の「裏」を解き明かす
2015/01/07 15:26
例えば、三井物産の年頭の辞。飯島彰己社長は、展開する事業に「情報や知見、技術や発想」をつけ加えて、「価値を生み出していく」ことを方針として語っています。この表現では具体的にどう動くのかがわかりませんが、言葉の「裏」を探ると、三井物産の取り組みがみえてきます。
三井物産は、昨年ICT(情報通信技術)構築に強い三井情報を完全子会社化し、データ解析をはじめとする三井情報の技術を大型プロジェクトに生かそうとしています。激しい競争にさらされている商社が、ICTを活用して物流を見える化したり、モノに情報を追加したりして、他社との差異を明確にしようとしているのです。
さらに裏を探れば、ここには日本ユニシスも関係してきます。三井物産は、かつて日本ユニシスの筆頭株主だったのですが、2012年、株式の一部を大日本印刷(DNP)に譲渡。事実上売却しました。しかし三井物産の関係者は、「やはりICTは不可欠。売ったのは間違いだった。だから今回、三井情報を子会社化した」と話しています。
言葉には、いろいろな「裏」があります。そして、それらを解き明かすのが新聞の役目。『週刊BCN』は、2015年もIT企業への直接取材に徹して、言葉の裏にある「実体」をお届けします。(ゼンフ ミシャ)
【記事はこちら】
三井情報 来年1月をめどに上場廃止
大日本印刷、日本ユニシスの筆頭株主に
<ASEAN>商社系SIer(下)/三井情報 「財閥」と手を組む インドネシアのDC企業に出資
三井物産プラントなど5社、小売店舗向けの太陽光・蓄電池一元管理実証事業
三井情報 三井物産のグローバルNWを統合 大型案件の獲得が海外進出を後押し
- 1