駐在記者・真鍋武が体験したリアルな中国

<駐在記者・真鍋武が体験したリアルな中国>監視カメラ大国

2014/12/11 19:46

週刊BCN 2014年12月08日vol.1558掲載

 早朝の便で地方都市へ出張するため、空港へ向けて、タクシーに乗った。早朝5時なので、道路は空いていた。しかし、高架路に突入してからというもの、運転手は500m~1kmおきに強くブレーキを踏む。仮眠をとりたいのに車が揺れて休めない。不快極まりない。どうしてこんなことをするのかと問い詰めると、運転手は「監視されているから」と答えた。

 中国は監視カメラ大国だ。治安維持のため、交差点や公園、地下鉄など、公共の場の至るところに監視カメラが設置されている。上海では、昨年、宝山区の道路の一か所に60台もの監視カメラが設置されたことで話題になった。件の運転手は、スピード違反で罰せられることを避けるため、監視カメラの前を走るたびに減速していたのだ。

 すでに中国は監視カメラの世界最大の市場となっていて、国内に相当数のメーカーが存在する。最近ではモバイルを活用したクラウド型の監視カメラソリューションを提供するIT企業も増えている。

上海の市街地では、ほとんどの交差点に複数の監視カメラが設置されている
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