今日のひとことWeb版

動くか、日中関係

2014/11/07 15:26

 中国に進出している日系IT企業の間で、いま最もホットな話題が北京で開催中のアジア太平洋経済協力会議(APEC)です。北京市内では、クルマの大規模な交通規制や工場の操業停止などが実施され、さらに会期中の7~12日は、政府機関や学校などが休みになる予定。会議の円滑な進行と大気汚染の改善によって、国の威信を示そうとする中国政府の一連の取り組みが注目されています。

 最大の関心事は、約3年ぶりとなる日中首脳会談が、はたして行われるのかどうかということ。中国でビジネスをしている日系IT企業にとっては、日中関係の改善は死活問題。政治関係の悪化を受けて、「日系企業が中国拠点への投資を様子見していて、受注に結びつけにくい」「政府機関や国有系の企業は、日系企業というだけで相手にしてもらえない」など、ビジネスでやりづらさを感じる場面が多いだけに、各社の総経理からは、「APECでの首脳会談の実現を機に、日中関係が改善の方向に進んでほしい」という声を頻繁に耳にします。

 現時点(6日午前10時)では首脳会談の日程は確定していませんが、安倍晋三首相、習近平国家主席ともに実現に意欲を示しており、日中の大手メディアは、現在、両国の間で最終調整を進めているところだと報道しています。中国で大きな成長を遂げている日系IT企業が少ないだけに、日中関係の改善がビジネス上の追い風になることを祈るばかりです。(上海支局 真鍋武)

【記事はこちら】
中国・上海でソフトウェア貿易イベント開催、日本からはKISAなどが参加
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2014.11.7」より
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