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中国でニアショア開発

2014/08/08 15:26

 日本のオフショア開発案件の約8割は、中国に発注されています。しかし、人件費の高騰や日中政治摩擦などによって、現在、中国の対日オフショア市場は停滞気味。とくに上海や北京、大連などの主要都市では、日本の地方都市に迫る勢いで人件費が高騰し、オフィス賃貸料も上昇。円安元高と相まって、円ベースのオフショア開発案件では収益を捻出しづらい構図になっています。主要都市で対日オフショア開発を手がける日系ソフト開発会社の間には、悲観的なムードが漂っている印象です。

 一方、中国の内陸部でソフト開発を手がける日系IT企業は、対日オフショアの動向をそれほど悲観的にはとらえていないようです。それは、ニアショア開発があるから。先日取材した武漢の日系ソフト開発企業は、「今後も引き続き、コスト安を強みに、コーディングなどの下流工程の開発案件に専念する。日本ではなく、上海など、大都市からの案件の獲得に力を入れる」と語りました。

 人件費の上昇は内陸部でも避けられませんが、今後も主要都市よりは低コスト。主要都市のソフト開発会社からのニアショア開発案件受注が期待できるのです。同じ中国から請け負う案件なら、為替の影響もありません。また、日系ITベンダーが中国国内向けのビジネスを拡大していけば、対日オフショアを除いた現地向けのソフト開発案件にも望みが出てきます。中国の日系ソフト開発会社は、ニアショアベンダーとして生き残っていくのかもしれません。(上海支局 真鍋武)

【記事はこちら】
NEC軟件(済南)、中国国内向けビジネスを成長の軸に
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2014.8.8」より
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