今日のひとことWeb版
小さい机の裏にあるもの
2014/08/05 15:26
千代田区富士見の新本社は、警察病院の跡地を再開発してできた「飯田橋グラン・ブルーム」内にあって、エントランスは広々。しかしIIJの社員に聞くと、「机が小さくなった」そうです。IIJの勝栄二郎社長は、新本社の披露会で「フリースペースを活用してもらい、社員同士の会話や情報共有を活性化するために、あえて机の幅を小さくした」と語りました。
1992年設立のIIJにとって、今回の本社移転は5回目。創業社長の鈴木幸一会長は、「設立当社は私だけがネクタイをして、(官公庁を回って)インターネットの可能性を訴えた。いま考えれば、社員にもネクタイをさせて(私と同じ動きをさせて)いたら、事業はもっと伸びた気がする」と、苦笑交じりに語ってくださいました。鈴木会長は、「国や通信機器メーカーがインターネットの普及に消極的だったことで、米国のような本格的なインターネット事業の立ち上げが遅れた」と指摘します。
鈴木会長は、今回の本社移転をきっかけに、IIJを「新しいスケールの会社にする」と意気込んでいます。そのために力を入れるのは、クラウド事業の拡大です。国内だけではなく、アジアをはじめとする海外でもクラウド事業を伸ばすために、提案活動を進めています。机を小さくして、新しいワークスタイルによって、会社を大きくする――。BCNからは少し遠くなりましたが、交通費を惜しまず、引き続きIIJグループの動きを追っていきます。(ゼンフ ミシャ)
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<KeyPerson>IIJグローバルソリューションズ 代表取締役社長 岩澤利典――名実ともに「グローバル」へ
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