今日のひとことWeb版

ローマへの長い道のり

2014/07/22 15:26

 「すべての道はローマに通ず」ということわざがあります。ローマ帝国時代、版図からの道がすべて首都ローマに至ったことに由来し、どんな経路を採っても目的地にたどり着くことができることを意味します。私はローマへ、ではなく、東京・箱崎から六本木の森タワーに向かう“実験”を行いました。

 日本IBMとレノボ・ジャパンは、IBMのx86サーバー事業のレノボへの移行に取り組み、6月にこの事業を手がける新会社を設立しました。新会社の所在地として、レノボ・ジャパンは本社のある六本木と発表していますが、その裏で日本IBMは、本社周辺の箱崎に置いて物理的な距離を短くすることを要求しています。

 そこで、新会社の本社が仮に六本木になった場合を想定して、日本IBMの箱崎本社から新会社に通うためにどのくらい時間がかかるのか、地下鉄に乗って計測しました。経路は、水天宮前→清澄白河→六本木か、水天宮前→青山一丁目→六本木。いずれにしても、東京メトロ半蔵門線から都営地下鉄大江戸線に乗り換える必要があるので、駅間の移動に時間がかかります。

 私は前者のルートで、約40分で六本木に到着。ところが、大江戸線の六本木駅は東京ミッドタウンの下にあるので、レノボ・ジャパンの本社がある森タワーに着くまでは、さらに10分以上かかりました。暑いなか、六本木駅から森タワーまで歩くのは、正直しんどかったです。これで、日本IBMの社員は気軽にレノボ・ジャパンに足を運んで、一緒に提案を練ることになるのでしょうか。

 日本IBMとレノボ・ジャパンの連携を成功に導く経路は、一つではありません。しかし、共同の提案活動を活性化するには、打ち合わせがしやすい環境づくりが必須。クロスセルという目的地にたどり着くまでの道程は、まだ長いようにみえます。(ゼンフ ミシャ)

【記事はこちら】
「System x」の移行 “レノボナイズ”が着々と進む エンタープライズ子会社を設立
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2014.7.22」より
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