今日のひとことWeb版

「課題先進国」の強み

2014/06/27 15:26

 先週末、上海に赴任してから初めて日本に帰国しました。3か月ぶりの日本の感想は、ズバリ、空気がきれい。青空が広がっていて、遠くまで景色を見渡すことができることにびっくりしました。中国に住んでいると、慣れのせいか淀んだ空気はあまり気になりませんが、日本と比較するとその差は歴然としています。

 日本は、よく「課題先進国」といわれます。大気汚染や高齢化社会など、他国が経験したことがない課題を多く抱えてきました。解決策をみつけることは簡単ではありませんが、他国に先駆けて課題を克服していくことは、日本の国際競争力の強化につながります。

 例えば中国では、日本よりも一歩遅れて高齢化が進行しています。中国政府によると、昨年末に60歳以上の高齢者が2億人を突破。今後も毎年1000万人ずつ増えていく見込みです。しかし、中国では、高齢者向け施設や介護師の供給量が不足しているうえに、施設を運営していく経験・ノウハウも充実していないのが現状です。

 「課題先進国」の強みを発揮するのは、ここです。日本で実績をもつ高齢者向けサービスは、中国でも通用するはず。実際に、近年、ウィズネット、リエイ、ニチイ学館など、高齢者向けサービス事業を展開する日本の企業が、次々に中国へ進出しています。高齢者サービス市場向けにIT商材を提供している日系ITベンダーにとっても、ビジネスチャンスは大きいといえるのではないでしょうか。(上海支局 真鍋)

【記事はこちら】
中国高齢者サービス市場に商機 大手ITベンダーが取り組みを加速 日本の技術・ノウハウへの需要大きく
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2014.6.27」より
  • 1

関連記事

NECソリューションイノベータ、「NEC 工場向けエネルギーマネジメントシステム」をグローバル市場に投入

WNA中国、仮想デスクトップクラウドサービスの本格提供を開始

京セラドキュメントソリューションズ、中国・深センに新会社を設立