北斗七星

北斗七星 2014年6月9日付 vol.1533

2014/06/12 15:38

週刊BCN 2014年06月09日vol.1533掲載

▼梅の木に大量発生したアブラムシ。殺虫剤で一網打尽にしようと思ったが、梅の実が心配で手出しできない。気を許せば際限なく増殖していく。間もなく梅の木は丸ごと乗っ取られてしまい、管理者不在のファイルサーバーのごとく、見るも無残な状況になってしまった。

▼春先に孵化(ふか)したアブラムシは、すべてがメスだ。メスが単独で子を産み、生まれた子は生まれた時点で子を宿しているという。例外もあるだろうが、梅の木に大量発生したこいつは、どうもその類いらしい。大量のデータから作成した分析データが、再加工されて新たなデータとしてどんどん増えていくかのようで、その繁殖力にはただ驚くしかない。

▼この昆虫は羽をもたない。しかし、飽和状態になると、羽をもつ個体が突然生まれて、新たなストレージ(樹木)を求めて飛び立っていく。そしてまた増殖する。

▼向かうところ敵なしのようなアブラムシだが、牛乳を噴霧するだけで死滅するといわれるほど、弱い一面があることを後日知った。ストレージの中で生きているデータは、消失の恐れがある儚い存在とみることもできる。(風)
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