今日のひとことWeb版

保守サービスの真の価値

2014/06/12 15:26

 先日、ある保守サービス会社の技能コンテストを取材する機会がありました。全国から選抜された若手の精鋭たちが、故障したIT機器を修理し、その作業の内容をユーザーに扮した先輩社員に報告して、技能と顧客対応を競います。

 「ユーザー」を前にした技術者は、開口一番「このたびは、ご迷惑をおかけして申しわけありません。不具合の内容は……」と説明を始めます。

 東芝系列の保守サービス会社なので、修理するのは東芝製の機器かと思いきや、実際はマルチベンダー保守といって、いまは他社製品の割合が多いそうです。他社の製品が壊れたのに、代わりに東芝が謝るとは、これいかに。

 担当者にうかがったところ、「確かにそうなのですが、ユーザー視点で見れば、当社に保守を任せれば不具合を未然に防いでくれるはずだ、という思いが強い」。なので、まずは「防げなかったこと」を謝るのだそうです。

 ここで、ハッと気づいたのは「保守サービス」の存在価値です。保守サービスのビジネスは全般的に厳しいのですが、それでもユーザーの保守に対するニーズや期待は依然として大きい。

 この保守サービス会社は、IT機器だけでなく、社会インフラやヘルスケア分野の保守サービスにも進出中。こうした顧客視点の姿勢を貫くことで、次の成長につなげようとしているのです。(安藤章司)

【東芝ITサービス「CSコンテスト」の記事はこちら】
東芝ITサービス、第8回「CSコンテスト」を開催、7競技・32選手が技量を競う
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2014.6.12」より
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