北斗七星

北斗七星 2014年6月2日付 vol.1532

2014/06/05 15:38

週刊BCN 2014年06月02日vol.1532掲載

▼近畿圏のある地域が陣取り合戦で熱い。大阪のITベンダーが言うには、「自治体がシステムを丸抱えする“ITゼネコン”制度を解消して、小規模ITベンダーに開放したから」だそうだ。

▼これまでは、牛耳っている大手ITメーカー系ベンダーの息がかかっていないベンダーは、地域全体の公共系案件からほぼ排除されていた。大手のタガが外れたので、これまで辛酸をなめてきたベンダーがこの地域の攻略に動く。

▼新参者の武器は、クラウドだ。○○組合や○○協議会など業界団体があるとする。従来は団体の長におうかがいを立てたうえで、“箱物”を各企業に提案した。今は、クラウドで共同利用するタイプの安価なSaaSを提案する。そうすると、団体の加盟企業が使い始める。同じ業界なので、同じような業務システムを個別に開発して使うようなムダがなくなるというわけだ。

▼その昔、市町村別にNECは「青」、富士通は「赤」などと色分けした分布図を本紙に掲載したことがある。自治体システムのクラウド化は、勢力図を一変させる。ボーダレス化した今、地上戦は欠かせないとしても、空中戦でも全国攻略ができる。(吾)
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