今日のひとことWeb版
新たな仮想敵
2014/05/20 15:26
ERP分野では、独SAPが押しも押されもせぬトップベンダーとして君臨しています。昨年のカンファレンスでは、SAPがクラウドにシフトする戦略を打ち出したことを踏まえ、その内容について「SAPのクラウドに対するメッセージは市場のニーズとかけ離れている」と批判したのが印象的でした。
しかし、今回のザック・ネルソンCEOの基調講演では、SAPをはじめとするERP分野の既存ベンダーに対する「口撃」も多少は盛り込まれていたものの、新たに別の「仮想敵」が設定された印象をもちました。ネルソンCEOいわく、「ユーザーのビジネスはオムニチャネル化が進んでいるが、ERPとバックエンドのデータを共有していない旧来のCRMでは対応できない」。その視線の先には、Salesforce.comがあります。
事実、ネットスイートの成長率は高く、クラウドERPの需要も旺盛で、しばらくは右肩上がりの状況が続きそうです。各分野のガリバーたちを引き合いに出しながら、自分たちの優位性をしたたかに打ち出していく戦略で、さらにビジネスを拡大するのか。要注目です。(本多和幸)
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米ネットスイート「SuiteWorld 2014」、キーワードはオムニチャネル、ネルソンCEO「広義のCRMが必要」
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