今日のひとことWeb版

迷惑なソリューション

2014/04/08 15:26

 クラウドサービスが市民権を得て、データセンター(DC)は多くのITベンダーやユーザーとって身近なものになりました。ただ、DCビジネスを構成する細かい要素については意外と知られていないことが多いのではないでしょうか。電源管理の問題も、その一つです。

 中堅SIerで、DC運用サービスも手がけるニスコムによれば、「DCのユーザーは電気代を固定料金で契約するケースが多いが、実際はその半分ほどしか使っていない」とのこと。つまり、現状のDCの電源設計にはかなりのムダがあり、それがユーザーが支払う料金に転嫁されているのです。

 ニスコムは、インテルの技術をベースに、DCの消費電力を可視化してコントロールするDCIM(DC管理システム)ソフトを開発し、昨年12月に提供を始めました。

 自社サービスの基盤としてDCを保有・運営しているサービスプロバイダなどは、DCの運用コストを削減するという大きなメリットを享受できますが、DC事業者にとっては、これまでのビジネスモデルを破壊してしまう「迷惑」なソリューションといえるかもしれません。しかし、これが普及すれば、電源管理のルールや、クラウドサービスの料金体系のあり方にも大きな影響を与える可能性があります。

 変化に適応するための最も有効な手段は、他者に先んじて手を打つこと。DC事業者は、こうしたソリューションを敵視するのではなく、ユーザーに支持される新たなビジネスモデルをいち早く構築するために利用するという発想があってもいいのではないでしょうか。(本多和幸)

【記事はこちら】
インテルとニスコムの協業 DCの料金体系に変革をもたらすか クラウドビジネスを変える可能性
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2014.4.8」より
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