北斗七星

北斗七星 2014年3月31日付 vol.1524

2014/04/03 15:38

週刊BCN 2014年03月31日vol.1524掲載

▼「順調な時こそ危ない」。多くの経営者が口にする言葉だ。苦しい時は、どうにかして苦境を乗り切ろうと、組織は知恵を出し合い、工夫し、団結する。その一方、業績が上向いてくると、気が緩み、それまで進めてきた改善の速度が落ちる。だから、「最も気を配って会社を経営しなければならないのは業績が順調な時」というわけだ。

▼2013年度のIT業界は、元気を取り戻した。分野によって浮き沈みはあるものの、消費増税など、ITニーズを高める材料がいくつかまとまって出てきたうえに、経済の好転も相まって、総じてITベンダーは好調だ。14年度も政府のIT施策や、企業のIT活用が活発化することが見込まれ、伸びそうな雰囲気が漂う。

▼とはいえ、IT業界に変革の時代が到来していることに変わりはない。クラウドというメガトレンドに乗り遅れたら先はない。情報システム部門だけを相手にしている過去の営業スタイルでは伸びない。営業しなくても仕事が落ちてくる下請け構造は、いつか崩れることを覚悟しておかねばならない。もうすぐ新年度がスタートする。新しい年度が始まる前に、冒頭の言葉を胆に銘じておきたい。(鈎)
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