今日のひとことWeb版

言葉という武器

2014/03/12 15:26

 「最近の若者は漢字に弱い」など、若い人の日本語能力の乏しさを嘆く言葉をよく聞きます。しかし、その逆のパターンもあるはず。先日、Facebookで「ガクブル」という言葉を見つけて、必死に意味をウェブで検索している自分に気づいて、これ、若い人からはみたら「本当に最近の30代は……」と言われてしまうのだろうな、と冷や汗をかきました。世代間のギャップは、言葉が露わにします。

 ガクブル、略して「gkbr」はウェブ掲示板の2ちゃんねるをはじめとするソーシャルメディアで使われるSNS用語。恐怖感を表す「ガクガクブルブル」が由来で、簡単にいえば「怖い」という意味だそうです。さらに、顔文字に変換すると、((((;゜Д゜))) になるという情報をウェブで拾いました。難しい漢字が読めない若者と同じように、((((;゜Д゜))) を見て、意味や読み方がさっぱりわからない大人は多いのではないでしょうか。

 年齢だけではなく、言葉は仕事の環境によっても変わってきます。IT企業の営業担当者は、懸命に技術用語を身につけ、提案先の企業の情報システム担当者とコミュニケーションしています。しかし、誰でも簡単にITを使うことができるクラウドが登場したことで、いまや提案先は情報システム担当からマーケティングや製品開発などの事業部門に変わりつつあります。営業担当者は、これまでの技術者に合わせてきた言葉づかいを根本から見直す必要がありそうです。

 昨年の初夏、無印良品を運営する良品計画の奥谷孝司WEB事業部長に取材する機会がありました。奥谷事業部長が強調していたのは、「マーケティングには文系の人が多い。だから『要件定義』などの用語は通じない」ということ。せっかくいい提案を練ったのに言葉がネックになってソリューションの良さが伝わらないのでは、まさに ((((;゜Д゜)))。ITの提案先が多様化しているいま、わかりやすい言葉はこれまで以上に“できる営業”の武器になります。(ゼンフ ミシャ)

【記事はこちら】
ITの売り込み先は「情シス」から「マーケ」へ ~新しい商談相手を攻略するコツ

【できる現場営業の一覧】
連載「売れるにはワケがある」

【できる営業マネージャーの一覧】
連載「営業マネージャーたちの最前線」
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2014.3.12」より
  • 1