今日のひとことWeb版

日本型経営の真髄

2014/03/05 15:26

 TKCといえば、会計事務所向けシステムやその顧問先企業向けの会計システム、さらには地方公共団体の基幹システムなどで多くの実績があります。先日、角一幸社長にインタビューする機会がありました。印象的だったのが、「日本型の経営は限界だと多くの人がいうが、本当にそうだろうか。資金力やマーケティングテクニックをベースにした欧米型のマネジメントスタイルのほうがすぐれているというのは、はなはだ疑問だ」という言葉です。

 角社長は、日本を代表する経営学者の一人、一橋大学の野中郁次郎名誉教授に長年師事。年に一度は酒食をともにするとか。「野中先生は、イノベーションのあり方について、企業が持続的発展を目指すなら、ヒーローの超人的な活躍に期待するのではなく、中堅・若手の社員たちがチームを形成して、お互いに切磋琢磨しながらイノベーションに取り組む組織であるべきと主張されているが、私もそう実感している」と、熱く語ってくださいました。

 「理論」や「仕組み」ではなく、「人間」に重きを置いた経営こそ日本型経営の真髄であるというのが、角社長の持論。個人の成長によって生まれるアイデアやノウハウの暗黙知を組織として吸い上げ、それを形式知として共有して発展させ、大きなイノベーションに育て上げていくことこそが、企業経営を成功させるキーポイントだと主張します。日本市場でも外資勢が大活躍するIT業界ですが、国産ベンダーとしての強烈なプライドを感じました。この日本型経営が、TKCの経営にどんな成果をもたらすのか、注目です。(本多和幸)

【記事はこちら】
TKC 代表取締役社長 角 一幸
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2014.3.5」より
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