今日のひとことWeb版

震災に強い街をITでつくる

2014/03/04 15:26

 「次は陸前小野、終点です」。3年前であれば、JR仙石線のこの車内アナウンスを聞いて、乗客は耳を疑ったでしょう。JR仙石線は、その名の通り宮城県仙台と石巻をつなぐ路線。しかし、東日本大震災によって大きな被害を受け、現在は陸前小野駅と高城町駅間で運休が続いています。石巻から仙台方面に向かう人は、陸前小野でいったん電車を降りて代行バスに乗り換え、高城町駅で改めて電車に乗らなければなりません。震災から3年。JR仙石線の車内アナウンスは、交通インフラの再構築が道半ばにあることを物語っています。

 凸凹の道路を走る代行バス。窓の向こうには、津波が襲来して、何も残さなかった風景が広がります。ここに新しい住宅を建てても、次に津波が来たら、3年前と同じ悲劇が繰り返されます。街づくりを根本から考え直す必要があるのです。

 いま、石巻で進められているのは、IT活用で街を“賢く”して震災に備えるスマートシティの構築です。今月、石巻スマートシティの進捗具合を市役所などに取材しました。『週刊BCN』3月10日号でレポートをお届けします。

 石巻スマートシティのポイントは、海から離れた場所で、エネルギー管理システムを活用した住宅街をつくること。津波の被害を受けるリスクを低くして、電力使用の効率を上げることによって、安全でグリーンな街を目指します。この取り組みは石巻だけではなく、海に面している全国の都市にとって非常に参考になりそうです。欠かせないのは、IT活用のプロであるベンダーの協力。都市と企業がうまく連携したスマートシティづくりが求められているのです。(ゼンフ ミシャ)

【記事はこちら】
石巻市スマートシティ 全国に先駆けて商業モデルを構築 日本IBMが裏で支える
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2014.3.4」より
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