今日のひとことWeb版

難しいビジネス

2013/12/20 15:26

 AR(拡張現実)を利用したスマートフォンアプリとして一世を風靡した「セカイカメラ」。しかし残念ながら、運営元の頓知ドットが、2014年1月22日をもってサービスの終了を発表しました。頓知ドットは、サービス終了の理由を明らかにはしていませんが、継続するだけの収益が見込めなかっただろうことは、容易に想像できます。

 スマートフォンアプリの領域は、一見華やかにみえても、実際には継続的に収益を上げることが難しいビジネスです。何十万ものアプリが提供されているので競争が激しく、また新しいアプリが毎日生まれるので、一度注目されても、すぐに流行が終わってしまうものが少なくありません。

 かつて取材したスマートフォンアプリ開発企業の経営者は、「スマートフォンアプリ開発の世界では、どんどん新しいものをつくりださなくてはならない。新しいものは、提供を開始した瞬間に中古品になる」と厳しい現状を語ってくれました。

 記事では、ニュース配信アプリ「SmartNews」を運営するスマートニュースの浜本階生氏を紹介しています。「Google Play Best of 2013」を受賞したアプリですが、実は、現在は収益を上げるビジネスモデルを構築しておらず、スマートニュースには売り上げがない状況です。

 資本金が尽きるのは時間の問題ですが、氏はインタビューのなかで、「1万人のユーザーがいるアプリと、100万人のユーザーがいるアプリとでは、適応すべきビジネスモデルが異なる。『SmartNews』では、もっとたくさんの人に使ってもらうことを目指している。ビジネスとして展開するのはその先の段階だ」と構想を語りました。生き残ることが難しい業界で、この選択が吉と出るか凶と出るか、はたまた今後どのようなビジネスを展開していくのか、要注目です。(真鍋武)

【記事はこちら】
<インタビュー>スマートニュース 代表取締役 浜本 階生
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2013.12.20」より
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