北斗七星

北斗七星 2013年12月16日付 vol.1510

2013/12/19 15:38

週刊BCN 2013年12月16日vol.1510掲載

▼この1年、家電業界では日本と韓国の差が世界でさらに広がった。サムスン電子とLG電子の勢いはますます強まり、日本の家電メーカーは相変わらず力を失ったままだ。記者は、2013年の1年間に米国と中国、シンガポールとマレーシアを訪れたが、日本製の家電が現地の家電量販店で展示スペースのメインを飾っているケースは、ほとんど見られなかった。

▼リスクに対する考え方が違う──。総務省で国際経済力の強化策を推進する官僚は、この差を生んだ原因をこう分析する。国内総生産(GDP)が15番目で、自国のマーケット規模が小さい韓国は、リスクを負ってでも外国に出ざるを得ない。一方、日本は中国に2012年に抜かれたものの3番目の市場があり、諸外国の市場開拓に挑むスピリッツが弱い。危機意識が違うというわけだ。

▼2013年を振り返り、政府の経済政策で消費者の生活が潤ったかといえば疑問だが、少なからず復活の兆しを感じることはできた。好転した雰囲気を実感できるものにできるか。それを左右するのは技術や戦略ではなく「やるかやらないか」だ。覚悟の違いが現れていると感じる。(鈎)
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