営業マネージャーたちの最前線・Bizline版

<営業マネージャーたちの最前線・Bizline版>NECネッツエスアイ 菅原俊典さん ――感情を記憶として残し、部下の成長基盤を築く

2013/11/15 19:46

 『週刊BCN』の連載「営業マネージャーたちの最前線」では、IT企業で奮闘している営業リーダーに、営業現場での様子やマネージャーとしての工夫などを語っていただいています。ここでは、紙面では掲載しきれなかったエピソードをご紹介します。 *「営業マネージャーたちの最前線」本編は『週刊BCN』1506号(11月18日号)に掲載しています。ぜひご覧ください。

[語る人]

●profile..........
菅原 俊典(すがわら としのり)
 1993年、大学を卒業後、NECネッツエスアイに入社。大手ゼネコン・サブコン向けの施設エンジニアリング事業の営業を担当。その後、通信キャリアにネットワークインフラを提案する活動などに携わる。2006年、金融向け営業の部隊に異動し、ICTプラットフォームの営業に従事。11年4月、生保・損保や証券会社を商談相手にする第二営業部の営業部長に就任した。

●所属..........
NECネッツエスアイ
金融ソリューション営業本部
第二営業部長

●担当する商材.......... ICTプラットフォームを中核とするソリューション
●訪問するお客様.......... 生命保険会社、損害保険会社、証券会社
●掲げるミッション.......... サービス型ビジネスの拡大
●やり甲斐.......... チーム力の成長に挑むこと
●部下を率いるコツ.......... 仕事での喜怒哀楽をともにして、からだで表現する
●リードする部下.......... 23人

 喜怒哀楽を表現することを重視するようになったのは、2007年7月に営業課長に就任したのがきっかけだった。初めて管理職に就き、部下をどのように指導していくかを考えたとき、昔、私が他社へ出向したときの上司が頭に思い浮かんだ。非常に的確な判断をする人だったが、淡々と数字だけをみる姿勢が私には無機質に映った。チームとしての一体感もなく、私はある種の孤独感のなかで仕事をしていた。

 ドライな上司にはならない。昔の上司を思い出して、そう決心した。仕事の楽しさや達成感は、成果だけではなく、提案から受注に至るプロセスでも得ることが重要だ。日頃の仕事で感じたことが記憶と経験値になり、それによって、将来の成長に役立つ“引き出し”ができる。例えば、お客様に自分の斬新なアイデアを評価していただいてうれしかったとか、受注にはつながらなかったが、その業種のニーズがよくわかって勉強になったとか、案件ごとに抱く思いがあり、発見がある。これらは、将来、部下たちが管理職になったときに、下の者にアドバイスする材料になるはずだ。

 日々の業務で喜怒哀楽を表現し、感情を記憶として残すことは、チームの一体感を強くするだけではなく、部下たちの成長の基盤を築くためにも大切だと確信している。だから、いくら仕事が忙しくて疲れているときでも、部下との“共感”を怠らないようにしている。

 メンバーが「働きやすい」と思う環境をつくるために、もう一つ取り組んでいるのは、デスクを固定せずに、どこにいても効率よく仕事ができる環境を用意することだ。

 これは営業部隊全体で進めているプロジェクトだが、八重洲や品川、渋谷などの都心部の主要な場所にレンタルオフィスを借りて、シンクライアントの環境をつくっている。例えば、午前中に渋谷のお客様を訪問し、午後は新宿でアポイントメントが入っているメンバーは、午前中の訪問を終えたら、飯田橋の本社に戻ることなく、渋谷のレンタルオフィスで仕事をしてそのまま新宿に行く、ということができるようになっている。シンクライアント端末はレンタルオフィスのロッカーに入っているので、すぐに仕事を始められる。効率よく仕事を進められる環境を整えることで部下たちの能力を引き出し、彼らの成長につなげたい。

 ちなみに、私も部下たちから学ぶことがたくさんある。営業の経験は私のほうが上だが、最新の技術トレンドなどに関しては、部下たちのほうが詳しいことが多い。彼らの高い知識レベルに、毎回びっくりする。その知識やアイデアを素直に吸収して、自分の仕事力の向上につなげるよう、心がけている。
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外部リンク

NECネッツエスアイ=http://www.nesic.co.jp/