営業マネージャーたちの最前線・Bizline版

<営業マネージャーたちの最前線・Bizline版>日本システムウエア 佐藤正芳さん ――お客様とタッグを組んで部下を育てる

2013/10/25 19:46

 『週刊BCN』の連載「営業マネージャーたちの最前線」では、IT企業で奮闘している営業リーダーに、営業現場での様子やマネージャーとしての工夫などを語っていただいています。ここでは、紙面では掲載しきれなかったエピソードをご紹介します。 *「営業マネージャーたちの最前線」本編は『週刊BCN』1503号(10月28日号)に掲載しています。ぜひご覧ください。

[語る人]
日本システムウエア 佐藤正芳さん

●profile..........
佐藤 正芳(さとう まさよし)
 1998年、大学卒業後、日本システムウエアに入社。公共案件を手がける部門で営業を担当。その後、プロダクトソリューション事業本部に異動し、組み込みソフトウェアなどの営業に携わる。2010年、第一営業部のマネージャーに就任し、11年から副部長を務めている。

●所属..........
プロダクトソリューション事業本部
営業統括部 第一営業部
副部長

●担当する商材.......... モバイルアプリケーションなど
●訪問するお客様.......... モバイル端末メーカーや車載機器メーカー
●掲げるミッション.......... 顧客のニーズに合った新商材を開発し、受託開発からサービス事業への切り替えを実行する
●やり甲斐.......... 自分のサービスが市場に広がり、国内外の人々に使われていることを実感したときの充実感
●部下を率いるコツ.......... 任せるべきものは任せる
●リードする部下.......... 8人

 私の部署は、組み込みソフトウェアを主にモバイル端末メーカーや車載機器メーカーに提供している。こうしたお客様は、ここ数年の間、コスト削減のために、製造現場を人件費が日本より安い中国に移してきた。お客様のそうした動きを受けて、われわれも北京に現地法人のNSW中国を立ち上げ、お客様をサポートする開発部隊を中国に移している。その影響で、私がリードする営業チームのメンバーが中国に出張し、現地で商談を行う機会が増えている。

 私も以前、中国での営業活動に携わっていたが、2011年に副部長に就任してからは部下たちに任せるようにしている。少し前の話になるけれど、案件の引き継ぎで、部下と中国に出張した。当社にとって非常に大きなお客様を訪問し、新しい担当者として部下を紹介して、引き続き当社にご注文いただくようお願いした。私は、うまくいくだろうかという不安を抱えながら、商談の主役を部下に任せた、これまで案件規模の小さなお客様しか担当していなかった部下に、大型案件の重い責任を感じさせるようにしたのだ。

 大型案件のお客様を相手にする商談は、営業の一つひとつの発言が大きな影響力をもち、受注を左右する。部下は、その場の雰囲気からそれを実感したようで、お客様が話をまじめに聞き、自分の発言では慎重に言葉を選んだ。私は部下の対応を見て、「これなら任せることができる」と確信した。

 それでも、担当の引き継ぎはなかなか難しい。お客様は、どうしても新しい担当者を前の担当者と比較して、不満に感じるものだからだ。とくに今回の場合は、ベテランの私から若手に変わったので、少し時間がたつと、お客様から「対応が悪くなった」と言われた。お客様の満足度は重視しなければならないが、しかし、副部長の私が現場に戻るわけにはいかない。

 そこで考えたのが、「部下をお客様に育ててもらう」ということだった。お客様に「懸命に改善に努めるので、対応のどこが悪いかを指摘し、彼を押し上げてください」とお願いした。私も、自分の経験からそのお客様がどんなことを大切にしているか、営業に対して何を求めているかを教えた。そう、お客様とタッグを組んで、部下の成長につなげたのだ。

 ビジネスの領域が中国に広がり、営業は国内だけではなく、海外でも活躍することが求められている。私は、自分たちの製品が世界の人々に使われるという喜びを伝えることで、部下たちの海外に出るモチベーションを高め、グローバルで対応できる営業チームをつくりたい。
  • 1

関連記事

NSW、M2Mクラウドプラットフォームの月額費無料トライアルキャンペーン

NSW、iPhone/iPad向けMDMサービスがAndroidに対応

NSW、プロジェクト管理SaaS「Clarizen」の提供を開始

NSW、法人向けMDMサービスの無償プランを提供開始

日本システムウエア、12年度は増収増益、金融・保険業向けの統合案件がけん引

外部リンク

日本システムウエア=http://www.nsw.co.jp/