BOOK REVIEW
<BOOK REVIEW>『120歳までも幸せに生きる家』
2013/10/17 15:27
週刊BCN 2013年10月14日vol.1501掲載
正しい家づくりとは何か
「人間の寿命は120歳」という説がある。では、人間を安全に守ってくれるはずの家の寿命は何年か。「建設白書」(1996年度版)によると、日本の住宅の建て替え周期はたったの26年。35年のローンを組んだら、返済が終わるずっと前に家の寿命が尽きてしまうことになる。住宅は、多くの人にとって一生に一度の大きな買い物だ。それだけに慎重な検討を重ねて購入する人が多いと思われるが、実際には誤った家づくりが散見されると、本書の著者(NPO法人 幸せな家作りの研究会・理事長)は警鐘を鳴らす。デザインがよくて安価な家/地震に強い家/シックハウスになりにくい家/省エネの住宅──どれもよさそうに思えるが、家の選び方としては間違っているという。何が間違っているのか? それは家を機能で選んでいるところだ。本当に必要なことは、家族の健康とか幸せとか、そういう根本的なことではないかと著者は呼びかける。家の機能以上に大切なことは、土地選びとか、素材選び、部屋の配置などであって、ここにウエートを置くべきだとしている。
この本の核をなしているのは、風水にもとづいた家づくりである。風水といえば、非科学的と思われがちだが、先人が積み重ねてきた「経験知」なのだという。風水を軽んじて家を増築して、体調を大きく崩した著者自身の経験も披露されている。
洋菓子メーカー、不二家の山田憲典会長(表紙写真の左)は、著者の持論に共感して推薦文を寄せてくれたそうだ。(仁多)
『120歳までも幸せに生きる家』
山根一純 著
エル書房 刊(700円+税)
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