国内IT市場は成熟期に入り、従来の多重下請け構造は崩壊しつつあります。IDC Japanの予測によると、2012～17年の国内IT市場の年平均成長率は0.1％。とくに下請け比率が高い地方のITベンダーには、ビジネスモデルの転換が求められています。

　地方のITベンダーを取材していると、ビジネスモデルの転換に成功している企業には共通点があることに気がつきます。新たな事業に取り組む際、成功する確証がないなかで、赤字を覚悟で投資しているのです。ある地方ITベンダーの、「死の谷を乗り越えなければ成功はない」という厳しい言葉が、今も耳に残っています。リスクを背負う覚悟がなければ、成功はあり得ないということです。

　5月23日、登山家の三浦雄一郎さんが、80歳にして3度目のエベレスト登頂に成功しました。高齢でのエベレスト登頂には、大変な危険が伴います。これも、死のリスクを受け入れることができたからこそ、成し遂げることができた偉業です。三浦さんいわく、「できるかできないかはわからなくても、成功の可能性が少しでもあれば挑戦する」。先の地方ITベンダーの発言と通じるところがあります。（真鍋武）

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＜インタビュー＞プロスキーヤー・登山家　三浦 雄一郎