北斗七星

北斗七星 2013年9月9日付 vol.1496

2013/09/12 15:38

週刊BCN 2013年09月09日vol.1496掲載

▼「奈良県は地震の少ない県」というのが、地元の人たちの決まり文句だ。歴史を調べると、確かに「日本書紀」には416年(第19代・允恭天皇の時代)に地震が発生したとの記述がある程度。実際、活断層も少ない。奈良県直下の震度7程度の緊急地震速報を知らせる警報が響いたのは今年8月8日の夕方。三重県沖の海底地震計の電気信号トラブルによる誤報に足がすくんだ人も多かっただろう。

▼最近の研究では、プレート境界で岩盤がゆっくり動く「スロークエイク」という予兆が、巨大地震の予知で最有力とのことだ。GPS(全地球測位システム)を使った研究に関わる方のレポートで、某夕刊紙には「9月上旬に関西で大地震」とさえ出ていた。

▼GPSの技術革新は速い。三菱電機、NECなどは、「誤差1センチ」の位置測定技術を共同開発した。GPSの精度が高まれば、「スロークエイク」の予測確率が高まる。「1週間後にここで地震が起こる」程度の予知は可能だとみられる。

▼この手の研究で気になるのは、起きたあとに「予兆はあった」とする主張が目立つことだ。より多くの情報を公開してくれたら、警報音を聞く前に対処できるかもしれない。(吾)
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