旅の蜃気楼
神代を理解するのはむずかしい
2013/09/06 15:38
▼それだけではありません。Facebookではリアルタイムにコメントを頂戴しますから、見えないところで常に皆さんとお話ししている状態なわけです。お気楽に対応しないと疲れますよね。Facebookには、こうした反応の仕方にも人となりが現れて、友人のコメントを見ると「彼らしい反応だな」とか「今、彼は余裕だな」とか、漠然とした近況も感じたりして、SNS文化の真髄を楽しんでいます。
▼しかし、SNSであろうがリアルな対面であろうが、この人からコメントをいただくと緊張する、という方っていますよね。私の場合は、楢葉勇雄さんなのです。楢葉さんはかつて大塚商会の副社長を務められた方で、Bizlineのコラム「千人回峰 人ありて我あり」に登場してもらったことがあります(http://biz.bcnranking.jp/article/interview/hitoarite/0709/070910_107835.html)。
▼その楢葉さんにお伝えします。前回のこの欄の最後に、私が自慢たらしく「3級に合格しました」と書いた「神社検定」は、一般社団法人日本文化興隆財団が主催し、神社本庁の監修です。検定は年1回で、今年で2回目です。公式テキストが4冊あります。『神社のいろは』『神社のおへそ』『神社のいろは 続』『遷宮のつぼ』です。前2冊が神社検定3級用で、後2冊は2級用テキストです。
▼私は2級と3級を受験しましたが、合格は3級でした。級のレベルの違いは、数式のような理解力ではなく、記憶力によります。やや難解なのは、何せ神代の古事記を読みこなすわけですから、辻褄が合わないところが出てくるところです。その曖昧さを楽しく味わうということでしょうか。それに神様の名前が同一人物でありながら登場シーンによって違うことと、同一人物でありながら人格いや神格が異なる場合があります。これが実に曖昧で、読みこなしを投げ出したくなってしまうことがあります。ロシア文学と似た人名の煩雑さがありますが、それ以上に、その曖昧さを腑に落とすことができるかどうかが突破口になるのではないでしょうか。その点、楢葉さんは人間社会における名戦略家ですから、その曖昧さをすぐに自分のものにされるのではないでしょうか。来年の試験をご一緒したいと思っています。それが無事に終わったら、伊勢へ行って、大衆酒場の名店『一月家』で一杯やりましょう。
(BCN会長・奥田喜久男)
- 1