いまさら聞けないキーワード
<いまさら聞けないキーワード>垂直統合型システム
2013/08/08 15:26
週刊BCN 2013年08月05日vol.1492掲載
ハードウェアとソフトウェアを一体化したITシステム。本稼働を開始するまでの期間を短くでき、運用管理・保守が容易
ハードウェアとソフトウェアをあらかじめ統合して、最適化したITシステム。国内外の大手ハードベンダーを中心に、昨年から多くの製品が市場に登場している。従来型システムに比べ、設置してから本稼働までの期間が短く、運用管理のコストと労力が削減できることが大きなメリットだ。
複数のコンポーネントを一つの機器に統合するITシステムの構成方式は、1950年代に登場し、60年代に主流になった「メインフレーム」が原型。90年代には、より安価で拡張性にすぐれた「クライアント&サーバーシステム」が、これに取って代わった。さらに、IT化の進展とともにユーザー企業のシステムは拡張し続け、運用・管理は複雑になり、保守の負担が大きくなった。こうした課題を解決するために登場したのが、垂直統合型システムだ。
垂直統合型システムの主な製品群としては、IBMの「PureSystems」、オラクルの「Engineered Systems」、VCEの「Vblock」などが挙げられる。
国産ベンダーでは、日立製作所の「Hitachi Unified Compute Platform」、富士通の「Dynamic Integrated Systems」、NECの「Solution Platforms」が代表格だ。
垂直統合型システムの構成要素は、ハードウェア、仮想化プラットフォーム、オペレーティングシステム、データベースソフト、アプリケーションソフトなどがあるが、最上部のレイヤであるアプリケーションをどのようなかたちで提供するかは各社で戦略が異なる。例えば日本IBMは、「PureSystems」を基盤として、アプリケーション開発をパートナーが行うエコシステムを構築しているが、日本オラクルはアプリケーションを自社製品に組み込んで提供する方針を掲げている。
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