北斗七星

北斗七星 2013年7月29日付 vol.1491

2013/08/01 15:38

週刊BCN 2013年07月29日vol.1491掲載

▼第23回参議員選挙が終わり、自民党が議席を伸ばして圧勝した。衆議院と参議院で多数派の政党が異なる「ねじれ」が解消され、自民党主導の政治体制がより強まることになった。

▼この結果は、予想通りといえば予想通りだが、気になったのは投票率の低さだ。共同通信社によれば投票率は52.61%で、前回を下回った。この選挙の注目点の一つは、インターネットを使った選挙運動が解禁されたことだった。候補者は多くの情報を発信することができ、有権者は以前よりも場所や時間を問わず候補者の情報を得ることができるようになり、投票率の向上に期待が高まっていた。

▼しかし、ふたを開けてみれば、史上3番目に低い投票率に終わった。ネットという新たな道具を使ったところで、投票率は上がらない。今回のネット活用条件は、初めての採用という点や、セキュリティ上のリスクを懸念して、諸外国よりも活用範囲が狭かった。しかしこの結果をみると、その範囲を広げたところで、投票率が向上しそうには思えない。

▼国民の政治離れを解消しなければ、たとえ便利な道具を使っても投票所に足を運ばせることができないということを、自民圧勝の裏で示す選挙になった。(鈎)
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