北斗七星

北斗七星 2013年7月22日付 vol.1490

2013/07/25 15:38

週刊BCN 2013年07月22日vol.1490掲載

▼プロダクトのイノベーションばかりを考えるな──。先月、マーケティング理論の第一人者である米国のフィリップ・コトラー氏が来日し、10年ぶりにわが国でコメントした。氏は「日本がとるべき八つの方法」と題して、輝きを失った日本企業に苦言を呈した。

▼技術に長けた日本。プロダクト個々をみると抜群にすぐれている。だが、世界市場では勝てていない。コトラー氏は、「視野を広げて事業モデルのイノベーションを起こせ」と提言する。その際の着眼点として、カスタマー(顧客)とアイデアを練り、ブランドがどう社会を変えるかを念頭に置くべきと示唆した。

▼では、国内のIT産業はどうか。7月に金沢で開いた「BCNフォーラム」では、熊本の受託ソフト会社・システムフォレストがクラウドにビジネスモデルを転換した例が紹介された。地方の受託ビジネスは、仕事が降ってくるのを待つだけ。同社の富山孝治社長は、「覚悟をもって変革した」という。

▼システムフォレストのビジネスは、数年で下請け比率が37%から7%に減少。案件の規模は小さくなったが、長く顧客と接することができ、アイデアを共有できる。小さい仕事から新しい事業モデルを創出する時代がやってきた。(吾)
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