いまさら聞けないキーワード
<いまさら聞けないキーワード>Ethernet
2013/07/25 15:26
週刊BCN 2013年07月22日vol.1490掲載
コンピュータネットワークの規格の一つで、LAN環境の事実上の標準規格
オフィスや家庭で一般的に使用されているLAN(Local Area Network)規格で、米国電気電子学会(IEEE/アイ・トリプル・イー)が「IEEE 802.3」という規格で標準化している。1973年に米ゼロックスが開発したネットワークシステムが原型で、後にインテルやDEC(現ヒューレット・パッカード)が開発に加わった。現在では、特別なケースを除いてLANはEthernetであり、PCもEthernetによるLAN機能の実装があたりまえになっている。
Ethernetは、ネットワークを構成する各層のうち、物理的な接続法の規定である物理層(レイヤー1)と、機器間の信号のやりとりの規定であるデータリンク層(レイヤー2)の二つを定めているが、伝送ケーブルの種類やPIN、通信速度などによって複数の規格が存在する。
個別の規格の命名には規則があり、例えば、最初に「IEEE 802.3」として標準化された「10Base5」は、通信速度が10Mbps、伝送形式はベースバンド方式、最大ケーブルは500mで、ケーブルの種類は同軸ケーブルであることを意味する。同軸ケーブル以外のケーブルを使っている場合、末尾の数字はアルファベットになり、「T」はツイストペアケーブル、「F」は光ファイバーを示す。ちなみに現在のケーブルの主流はこの2種類だ。伝送形式は、過去に双方向ケーブルテレビのインフラを利用して信号を伝送するブロードバンド方式もあったが、現在のEthernetではベースバンド方式しか使われていない。
近年、通信速度の高速化が進み、直近では、40Gbpsと100GbpsのEthernet規格が「IEEE 802.3ba」として標準化されている。
なお、「Ether」は、19世紀までの物理学で、光が伝わる媒介とされていた仮想物質「エーテル」に由来する。アインシュタインなどにより存在は否定されている。
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