今日のひとことWeb版

言い訳の余地

2013/07/23 15:26

 第23回参議院選挙は、自民党の大勝で幕を閉じました。非改選議席と合わせても、自公両党で参院全議席の過半数を占めることになり、ねじれも解消しました。

 しかし、これで国会運営を野党が妨害したという言い訳もできなくなります。安倍政権は、成長戦略の柱として「世界最高水準のIT社会実現」を掲げ、新たなIT戦略を策定するとともに、施策実行のロードマップを示しました。これらを滞りなく推進してくれることを大いに期待したいところです。

 今回の参院選は、インターネットによる選挙運動、いわゆるネット選挙が解禁されたことでも注目を集めました。NHKの報道によれば、全候補者の9割以上が選挙期間中にTwitterやFacebookで情報を発信し、動画サイトを駆使する動きも目立ったとのこと。

 一方、最も懸念された候補者の「なりすまし」は、問題になるレベルでは発生しませんでした。Twitterの日本法人に、政党や候補者から被害の届け出が数件寄せられた程度だったそうです。なりすまし対策ソリューションを展開したセキュリティベンダーの取り組みが、まずは功を奏したといえるかもしれません。

 しかし、ネット選挙が解禁されたにもかかわらず、投票率は52.61%と、戦後3番目の低水準。これは非常に気になります。有権者はさまざまな手段で情報を収集できるようになったわけで、こちらも言い訳の余地はどんどんなくなってきているのですが……。(本多和幸)

【関連記事はこちら】
ネット選挙解禁でITベンダーに動き セキュリティ両雄の戦略は対照的
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2013.7.23」より
  • 1

関連記事

ネット選挙が解禁に向かう 「なりすまし」防止サービスが後押し

GMOグローバルサイン、ネット選挙向け「なりすまし」防止認証サービスを開発

ソリトン、「ネット選挙」に対応するライブ映像中継サービスを開始